みどりさん(実母)は10月、グループホームで暮らしはじめました。
2年にわたって続いた週末実家介護生活も、変化の時です。
グループホームは安心して過ごせていいわ。
コロナ禍が始まった頃に様子がおかしくなったみどりさん(当時73歳)。
2021年春から始まった週末実家介護生活も1年半を迎えました。
認知症で要介護1のみどりさんと、実家から高速で約1時間のところに住む娘、かしこ。の認知症介護の記録も7回目になりました。
みどりさんの認知症はアルツハイマー型ではなく、何型なのかは病院で調べたものの解明されず。お薬はレビー小体型認知症の物を飲んでいます。
認知症である以外は身体に悪いところは何もなく、一人暮らしがおぼつかなくなった頃から大学生の孫(のび太)が同居して一緒に暮らしています。
平日は週に5日デイサービスに通い、のび太が家事を担当。週末は実家でかしこ。が介護していました。ただ介護といっても、家事を手伝う程度で、身体的な介助は特に必要ありませんでした。
ですが、1年半経つうちに、徐々に認知症が進行していき、一人で置いておくのが危うくなってきた頃に、ベストなタイミングでグループホームへの入居が出来ました。
認知症がわかり、グループホームへの入居を検討している方に、知っておいていただきたいことをまとめました。
みどりさんは、グループホームに入居しました
2022年10月、みどりさんはグループホームに入居しました。
グループホームとは、認知症の高齢者が暮らすための小規模の介護施設。
家庭的な雰囲気で、スタッフと一緒に可能な限り自分らしく暮らせる場所です。
入居の条件は以下の3点
- 市内に住民票がある人
- 認知症の診断がある人(医師の診断書が必要)
- 他者との共同生活ができる人
グループホームは、認知症の進行を抑えることと、機能維持を目的とした小規模の介護施設です。”ユニット”と呼ばれるグループに分かれ、家事などを役割分担しながら共同生活を行います。1ユニットの定員は最大9名です。
認知症高齢者は環境変化にうまく適応できない場合もあり、家庭的な馴染みのメンバーで生活できるユニット型の生活環境は、認知症ケアに適しています。スタッフも担当制で、それぞれの状況に合わせた認知症ケアが受けられるのも特徴です。
引用:LIFULL介護 グループホームとは|費用相場やサービス内容、入居手順まで解説
みどりさんが入居したグループホームは女性ばかり8人の施設。
75歳のみどりさんは一番年下で、最高齢の方は100歳の方です。
グループホーム入居を決めた理由
理由① 家でひとりで過ごす時間が長いこと
みどりさんは大学院生の孫(のび太)と同居しているのですが、コロナ禍でも平日朝9時から夜遅くまで研究があるのび太の帰宅は22時頃と遅いのです。
毎日デイサービスへ通っているものの、17時頃家に到着しのび太が帰宅する22時まで、家でひとりで過ごしていました。一人で過ごす時間が長いことが心配でした。
理由② 認知症の症状が進んできたこと
みどりさんは2022年10月現在、要介護認定1です。
持病も特になく、健康そのものですが、認知症で家事もできず、身の回りの世話が必要になってきたところです。
今までは自宅がみどりさんにとって”安心できる場所”だったのですが、認知症が進んできて自宅で過ごしていても「ここは誰の家?」と聞く等、自宅が安心できる場所ではなくなりました。そうなると自宅で生活する意味がないと思いました。
最終的には兄と相談し、誰かと一緒に生活できる施設に入居したほうが安心できると考え始めていたところへ、通っているデイサービスの施設長さんとケアマネジャーさんから、系列のグループホームに空きがでそうだから入居しませんか?と勧められたことで、入居を決めました。
グループホームの選び方
認知症介護を始めて、いずれはグループホームや老人ホーム等に入居するだろうと考え、インターネットの介護施設検索サイトや、地域包括支援センターなどで施設の資料を見せてもらったりしました。
一人暮らしが不可能になった時に慌てて探さなくていいように、前もって資料を集めて探しておくことをお勧めします。
我が家の場合、子である兄と私が実家から離れて住んでいることから、兄や私の家から近い場所でグループホームを選ぶことも考えていました。
兄はまだ子供が小さく(小学生2人)、かなり遠方に単身赴任中でもある事、そして娘である私は子どもが巣立ち時間的な余裕があること、私が母の面倒を見たいと思っていることから、私の近くか、実家の近くが選択肢になりました。
また実家の庭木の手入れが必要であるため、実家近くのグループホームを選びました。
今後状況が変われば変更するかもしれませんが、今のグループホームが良心的で、利用料も安く、母も気に入っているので、このグループホームでいいと思っています。
高齢者施設を選ぶときに聞いておいた方がいい事
介護職の友達から選ぶにあたって聞いておいた方がいい事を教えてもらいました。
★入居後、家族がしなければいけないことはあるか?
施設によっては、洗濯は別途費用で、家族が定期的に通って洗濯ものを届けなくてはいけないところもあるそうですが、みどりさんのグループホームは服の洗濯も布団干しなども、追加料金なくやってくれます。
★入居後、自由に会うことができるのか?
コロナ禍である現在ですが、みどりさんのグループホームは面会可能で、家族がお部屋に入ることもできますし、お出かけに連れ出すことも可能です。
ペットを連れて遊びに行くと、外に椅子を出して一緒に遊ばせてくれたりもします。
★看取りまでしてもらえるか?
これは大事な質問です。看取りをしてもらえない施設も多く、看取りの時期に病院に入らなかった場合、家でお世話できない場合は施設探しや転居しなくてはいけなくなることもあるそうです。
グループホームを選ぶ時に「看取りをしてくれるかどうか」を確認したほうがいい事は、介護職の友人が教えてくれたおかげで確認できました。
みどりさんのいるグループホームは、看取りまでしてくれるそうでした。医療行為を行ってくれるわけではありませんが、自然に最後の時を過ごせることは安心です。
グループホーム入居までの準備
あわてず一段階ずつ進んでいこう
グループホーム入居を決めてから、実際に入居するまでには5か月ほど間隔がありました。理由は、特別養護老人ホームへ転居する予定の入居者さんが人がいて、その人がいなくなった空き部屋にみどりさんが入居することになっていたためです。
入居前3か月くらいは、施設での宿泊することに慣らす目的で、毎週末日曜日の夜はデイサービスでのショートステイをお願いしました。
もう一つの目的としては、週末介護で日曜日に私が家に帰る時に一人で置いて行かれるのが不安だという思いをなくすことでした。
慣らすためのショートステイが、すべての人に必要かはわかりません。
みどりさんは何事にも慎重な性格。いきなり入居をすると混乱すると判断して慣らしました。
また、ケアマネージャーさんから、「いきなりの環境の変化は認知症を進ませることが多い」と言われたこともありました。
ショートステイはデイサービスで行うため、グループホームとは場所は違いますが、結果、とてもスムーズにグループホームでも過ごせているようです。
グループホームの毎月の費用について
みどりさんのグループホームには、入居時の一時金は必要ありませんでした。
要介護1で、自分でトイレへ行けるものの、おむつ代がかかり始めた今の毎月の費用は約14万円ほどです。
内訳 | 金額 |
家賃 | 35,000円 |
食費・おやつ代 | 40,000円 |
水道光熱費 | 12,000円 |
管理費 | 10,000円 |
介護保険料自己負担分 | 30,000円 |
医療費・おむつ代 | 13,000円 |
総額 | 140,000円 |
地域や施設によって金額の差はあるようですね。
グループホームでの一日のタイムスケジュール
7時~ | 起床。朝食、後片付け、体操、散歩 |
10時~ | 入浴、お部屋の掃除 |
12時~ | 昼食 |
13時~ | レクリエーション 塗り絵やトランプなど |
15時~ | おやつ |
16時~ | 買い物等 お散歩 |
18時~ | 夕食 |
21時頃 | 就寝 |
また、週に1度は、今まで通っていたデイサービスの喫茶コーナーへみんなで車に乗ってお茶をしに行ったりもするそうです。さすが喫茶店文化の愛知県ですね。
グループホームでのお部屋
グループホームには6畳ほどの個室があり、大きな窓が2枚あります。カーテンは施設の物。家具は各自持ち込みです。3段の引き出しタンスとハンガーラック、布団を敷いています。
みどりさんは自宅でずっと布団で生活していたため、自宅での生活スタイルを継続しています。起き上がるための筋力を維持するためにも、動ける間はベッドではなく、布団にした方がいいのでは?とケアマネさんに提案されて決めました。
みどりさんのお部屋
窓が2つあって明るく快適です
グループホーム入居に際して準備したもの
パジャマ | 4組 | ハンカチ | 5枚 |
ブラウスやTシャツ | 7枚 | 上履き・下履き | 各1足 |
ズボンやスカート | 7枚 | 歯磨き粉・歯ブラシ・コップ | |
下着 | 各7枚 | 携帯電話・充電器 | |
コート | 1枚 | 布団一式・カバー類 | |
靴下 | 7組 | ハンガーラック | |
バスタオル | 4枚 | 大切にしている本など | |
フェイスタオル | 5枚 | 家族の写真 |
家で使っていたものを中心に、布団などは新調しました。
すべてに記名を忘れずに。季節ごとに服は入れ替えていきます。
今のみどりさんの様子
みどりさんは現在のところ、携帯電話を持っていて、自分からかけることはほとんどありませんが、家族が携帯電話にかけることはできます。
ただ、自分で出ることが出来なかったりもするため、一度グループホームのスタッフさんに電話して、今から携帯に電話を掛けますので補助をお願いしますと伝えてから電話するようにしています。
みどりさんは私に「ここの暮らしは安心だからいい、何も心配いらないよ」と言っています。
かしこ。の気持ち
きっとお互いにとって
良い選択だったと思う
みどりさんがグループホームに入って、週末介護生活がなくなったことでホッとした気持ちもありますが、正直なところは母と一緒に暮らすことができなかったことに申し訳ない気持ちになったり、寂しくなったりもします。
ただ、認知症になってからの母の変化に戸惑うことも多く、うまく対応できない自分を情けなく思う事も多かったので、安心して暮らすことができるこの状況は、母にとっても私にとっても、これはいい選択だったのだと、何とか自分に言い聞かせているところです。
グループホームに入った今も、週末に会いに行ったり、一緒に出掛けることは可能です。
比較的ルールがゆるい施設のようで、コロナ禍でも会うことも、一緒に出かけることも可能ですし、犬と遊びに行くと庭で一緒に遊ばせてくれて、施設の犬好きなおばあちゃんと一緒に交流もしています。