親の介護Log

【介護Log6】ショック!母が私を「知らない人」と言った日

2021年春、要介護1の認定が出た頃には、母は時々私のことを「姉」というようになりました。

最初は「冗談なのかな?」と思ったのですが、本気な様子。「いやいや、私何歳だと思ってんのよ。娘だから!」と言ったら「そうなの?」と返ってきた。

かかりつけの病院で「この人は誰?」と私のことを聞かれた時も「姉です」と答えました。子供や孫の人数も、あいまいな感じで、「ねぇねぇ、お兄ちゃんの子って何て名前だった?」とか聞かれるようになったので、手書きの家系図を書いて貼ってあげました。

家系図をイラストを交えて手書きして貼りました

家系図をはりました

みどりさんを中心にして、父の名前、その下に私と兄の名前、それぞれの家族の名前。
母と父の兄弟姉妹の名前など・・・亡くなった人には、天使の絵をかいてあげました。
雑な家系図ですが、みどりさんはいつもこの家系図を見て家族の名前など確認しています。

家系図のほかにも、家のドアの鍵の開閉をイラストで描いて貼ったり、お風呂のスイッチの操作方法など、書いて貼ってあります。
みどりさんは文字を読むのが得意なので、文字の説明でもわかります。

介護士をしている友人も、認知症の人の家に貼り紙を張ると、わからなくてもその場で見て理解してくれるから、貼っておくといいと言われました。

ショック!私のことを「知らない人」といった日

それは、2021年の母の日のことでした。

前日、みどりさんと「明日はお互いに母の日だねー」とカーネーションを2本買って部屋に飾り、穏やかに過ごしていました。この頃よく私のことを姉だと言っていましたが、この日は多分、私を娘だと認識していたと思います。

そして母の日、朝からストレス発散と体力維持のために飼い犬と散歩に出かけ、午後からはリハビリがてら、遠方に住むみどりさんの姉達にはがきを手書きして過ごしていたところ、みどりさんが言った言葉に私は唖然としました

みどり
みどり
姉が車で出かけちゃったのかな?

姉って…私のことを言っているではないのかな?姉が出かけたなら、私は誰だと思ってるんだろう?と思い、みどりさんに聞いてみました

かしこ。
かしこ。
私のこと、誰だかわかる?
みどり
みどり
しらない

顔を見てるのに、私のこと誰だか知らないの?!と思い、何とか私を娘だと思い出してもらいたくて「私ね、〇〇さん(父の名前)の子供なんだよ」と話すと、みどりさんは「ええ?どうして?〇〇さんは私のだんなさんだよね?」と混乱している様子。

かしこ。
かしこ。
私はお母さんのむすめなんだよ?

そう話しても、首をかしげるばかりでした。

認知症の母に説得しても仕方ないけれど、ここまで母のためにと頑張ってきた私は、母が自分を忘れてしまったことになんだか悲しくなるばかりで…

結局私は実家を出るまで「知らない人」として過ごすことに。
母の日に母が自分を忘れてしまうなんて…母には何の罪もないことですが、やり場のない感情は残ったまま。

家に帰ると息子からの花束が届いていました

もやもやしながら車を走らせて実家から自宅に帰ると、玄関にピンク色のリボンがかかった沢山の真っ赤なカーネーションとカスミソウの花束が私を迎えてくれました。

週末自宅に帰っていた息子からの母の日のプレゼントでした。
※息子は私の実家に住んでみどりさんと同居しながら大学へ通っています。
THANK YOU MOTHERのカードの裏には、手書きのメッセージがありました。
いつも感謝している事、困ったときはいつでも頼りにしてほしいと。

息子のやさしさが嬉しく、実家でのいろいろも思い返され、なんだかいろんな感情が重なり涙が止まらなくなりました。

しばらくして気を取り直してみどりさんに電話してみると、

みどり
みどり
さっきね、誰かがコロちゃんを連れて行っちゃったんだけど、大丈夫だったかな?

電話の表示がかしこ。の名前になので、電話の相手が私だと認識している様子でした。

次に会ったときに言ったこと

忘れられた時、今後は私のことは他人として接してくるのかな…と悲しくなった私でしたが、次に会った時、みどりさんは普通に私を娘と認識している様子でした。

そして私にこう言ったのです
「この間家に来た人がなんか変な人でさー、勝手にうちに来ておいて、「私のこと誰かわかる?」とか聞くんだよー。知るわけないじゃんねー!」

あまり混乱させたくなかったので、この時は「へーそうなんだー」と話を流したのですが、
この後1か月くらい経っても「あの時の人さ、●●(孫の名前)のお母さんとか言ってたんだわ」と、まだ覚えている様子だったので、「あれさー、私だよ?」と話してみたら、「えーそうなの??」と驚いた様子でしたが、なんとか納得はしてくれたようです。

あれから3か月ほど経ちますが、最近は私のことを姉だとは思っていないようで、娘だと認識しているようです。

こういった症状のことを、見当識障害というようです
人や時間、場所、季節がわからなくなる障害のこと。

ついさっきのことも忘れるようで、数か月か前のことでもよく覚えているので、よくわかりません。

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かしこ。
遊び心を大切に何事も面白がることがモットー。 交通の便は良く都会もほどほどに近い(名古屋まで15分)けれど、家の周りには田んぼがあるという適度な田舎(愛知県一宮市)に、白柴犬コロ(4歳)と夫(51歳)とじいちゃん(81歳)と暮らす1972年生まれの50歳。 子が巣立ち、親の認知症に向き合う 。人生の後半を心豊かに暮らすための情報をブログで発信したい。たかなしかしこ。と読みます。